世界には様々なお酒があります。バーに行けば、棚一杯にスピリッツの瓶が並べられ、その種類の豊富さに驚かされます。ジン、ウォッカ、ラム、テキーラは世界4大スピリッツと呼ばれていて、今では、お酒に詳しくない人でも、一度は聞いたことのある蒸留酒として知られています。
そんなスピリッツですが、世界第1位の消費量を誇るのはウォッカ、第2位は韓国焼酎、そして、第3位の消費量を誇るのがブラジルのスピリッツ「カシャッサ」です。
ブラジルの蒸留酒?そんなの聞いたことない。という方に今回は、ブラジルが誇る「セレッタ」というブランドをご紹介します。きっと飲んでみたくなるはずです。
カシャッサはブラジルの国民酒
カシャッサは、サトウキビの絞り汁を発酵させてつくられる蒸留酒です。
国内では別名“ピンガ”とも呼ばれています。“カシャッサ”と呼ばれるものは、ブラジル政府は製造方法を厳しく定めた、製造方法に関する法律に沿って生産されたものに限られていて、ブラジル国内で製造されなければなりません。
消費量が世界第3位の割に、世界的な知名度は極めて低く、日本でもあまり紹介されていません。それは、ほとんどがブラジル国内で消費されていて、世界へ輸出されているのは、全体のわずか2%程。
世界的に極めてレアなお酒といえます。そのカシャッサが、近年、国際的にも日本国内でも注目を集め始めているのです。
カシャッサの宝石箱、ミナス・ジェライス州
ブラジルの国土は日本の23倍もあり、一つの州が日本と同じ大きさがあるほどの面積を誇ります。
そのなかでも、面積も広く、首都の人口がブラジル第三位に位置するのがミナス・ジェライス州です。
この州はもともと農業と酪農が盛んな地域ですが、17世紀に金が発見され、ゴールドラッシュで一躍注目を浴びた地方です。
砂糖の生産も行っているミナス・ジェライス州ではサトウキビ栽培が盛んで、古くからカシャッサが製造されてきました。
中でもミナス・ジェライスが誇るのが“カシャッサ・アルテザナウ”と呼ばれる、クラフトカシャッサの豊富さです。
ミナスジェライス州では年間2億リットルのクラフトカシャッサが作られ、その量はブラジル全体で生産される量の50%を占めています。
ミナス・ジェライスの首都である、ベロ・オリゾンテには無数のバーがあり、いつも地元で作られたカシャッサを飲み比べをする人々で賑わっています。
「ミナス・ジェライスには海はないけど、バーがある」と称されるように、ミナスっ子の娯楽の一部として、バーで過ごすひとときは生活の一部になっています。
そんな舌が肥えたミナスっ子に選ばれ続けるカシャッサのブランドがあります。それがセレッタ(SELETA)なのです。
セレッタはクラフトカシャッサ売上No.1
セレッタは40年間に渡りクラフトカシャッサにこだわり続けてきたブランドで、クラフトカシャッサの生産量は国内で最大を誇ります。
使用するサトウキビは、ミナスジェライス州の中でも、「サトウキビ畑の首都」と呼ばれるサリナスのものを厳選して使用しています。
サリナスは地理的にサトウキビ栽培にとても適した場所で、セレッタの伝統の味わいを守り続けるためには必要不可欠な畑となっています。
生産されるそれぞれの瓶に、ブラジルの息吹を感じられるセレッタは、40年間の間ラベルを守り続け、飲む人の舌を満足させるものを提供してくれています。
工場は時代と合わせて近代化されていきましたが、40年前と変わらぬ味と質を守り続けています。
カシャッサの王様と呼ばれる創業者アントニオ・ロドリゲス氏の、「カシャッサを『価格』で選ぶ時代は終わりをつげ、『質』で選ばれる時代が訪れる」という言葉の通り、
ベロ・オリゾンテの若者たちも、酔うためにカシャッサを選ぶのではなく、味わうためのカシャッサを求めるようになってきています。
その時代の流れの中で、セレッタは老若男女に愛され続けているのです。
ブラジルの歴史を背負うセレッタの味の奥深さ
現在、セレッタではは年間150万リットルのカシャッサを生産しており、中国、米国、ドイツ、イタリア、ウルグアイ、ポルトガル、ニュージーランド、フランスなどに輸出する大企業となりました。
しかし、多くの成功者と同じように、アントニオ氏の商売の始まりは小さなものでした。 当初、彼はカシャーサを樽で熟成させ、この地域で量産に成功し、販売していました。
彼の作るカシャッサは評判が良く、それをチャンスと思った彼は、すぐに瓶詰めし販売を始めたのでした。すると、噂が噂をよび、それでも生産が間に合わなくなっていき、カシャーサ製造のための工場と大きなサトウキビ畑を購入したのです。
以降 40年間、セレッタは同じプロセスで製造されています。自然発酵にこだわり、銅の蒸留器での蒸留、そしてブラジル原産のバルサモ、黄色のイペ、ウンブラーナなどの樽での熟成する製法は、当時から現在まで、変わらず大切にされてきました。
そんなアントニオ氏は何よりも逆境が好きという少し風変わりなブラジル人で、「私が本当に好きなのは、不快感を感じられる環境にいること。
より大きな結果を見るのが楽しみになるから、このスタンスは変えられない。 私はまだまだ成長するよ!」と今後の拡大にも意欲を見せます。
アントニオ氏いわく、「SELETAを飲むということは、瓶に詰まったブラジルの歴史の授業を受けるのと同じことだ」と、サトウキビ農場で労働を課せられた奴隷制と共に歩んできたブラジルの歴史の重みを、セレッタの味わいに感じて欲しいと願っています。
ボアジーニャはリピートしたくなる“いい子ちゃん”
セレッタと並んで語られるカシャッサに、ボアジーニャ(BOAZINHA)があります。バルサモの樽にで4年間貯蔵されたボアジーニャは、その熟成年数による深みと、樽の香りが、ちょうどよいハーモニーを醸し、それでいて、マイルドな風味とハーブ系の強い香りを楽しめるカシャッサです。
Boazinhaとはポルトガル語で「いい子ちゃん」という意味があり、注文の際に「今日もあのいい子ちゃん頼むよ!」とお客さんから言われたことからその名前が付けられました。
親しみを込めて愛称で呼ばれているところからも、どれだけ人々に愛されているかがうかがえるエピソードです。
AraiMartおすすめのカシャッサ
AraiMartでは日本で非常に入手困難なクラフトカシャッサをネット通販で1本からお買い求めになれます。ブラジルNo.1のセレッタやボアジーニャを取り扱っております。
セレッタ(SELETA)
ブラジル国内で最も飲まれているクラフト・カシャッサのセレッタは、ウンブラーナという木の樽で2年間熟成させ、伝統的手法を用いながら製造されています。ライトな味わいで若者にも人気がある逸品です。炭酸水で割ってレモンを入れた“セレッタ・ハイボール”もおすすめ。
品名:スピリッツ
蒸留所:ミナスジェライス州サリナス市
内容量:670ml
アルコール分:42%
ボアジーニャ(BOAZINHA)
バルサモという木の樽で4年間熟成させ、伝統的手法を用いながら製造されています。さらに、自社農場で栽培されたさとうきびを原料にして、伝統的な手作業での醸造を施しております。風味はカシャッサ本来の芳醇さを発揮。ほのかに桜餅のような香りが感じられる、風味豊かな「ボアジーニャ」は、ぜひストレートでお試しください。ブラジルの歴史と風土に深く根ざした国民的なお酒です。
品名:スピリッツ
蒸留所:ミナスジェライス州サリナス市
内容量:670ml
アルコール分:42%
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