気分をスカッとさせたい時に飲みたくなるのが炭酸飲料です。現在日本でも多くの飲料が販売されています。
食事のお供や、スポーツの後などにもつい手が出てしまうものですが、ブラジルにはブラジル特有の炭酸飲料があるのをご存知でしょうか。
それがガラナ・アンタルチカです。
緑を基調にしたオシャレな缶からは、琥珀色の炭酸水が出てきて、飲む人の視覚にも魅力をたっぷり訴えかけるその飲み物。
実は、ブラジルの国民的スポーツ、サッカーブラジル代表の公式スポンサーだったり、国内でも東京ヴェルディのビーチサッカーのオフィシャルスポンサーになったこともあり、
国内でも認知度がぐいぐいと上がってきているのです。
そんなガラナ・アンタルチカの歴史を紐解いてみましょう。
ブラジルでは超メジャー。そのガラナの生い立ちとは
1921年8月18日にパウリスタアンタルチカという会社がブラジルにおいて初めて「ガラナ・シャンパーニュ・アンタルチカ」という商品名で売り出したのが、ガラナ・アンタルチカの歴史の始まりです。
それまで同様の飲料はブラジルには無く、コカコーラ社が後追いでガラナ味の飲料を発売したほどでした。
簡単に発売されたように思えるこのガラナ・アンタルチカにも、実はその一本目のドリンクが発売されるまで、多くのエピソードがあったのです。
ブラジルでガラナという果実が認知される
ブラジルにおけるガラナの起源は1669年まで遡ります。イエズス会の司祭であった、ジョアン・フェリペ・ベッテンフォードが、アマゾン川上流のマウエースと呼ばれる地域のインディオを観察しているときに、ガラナの実と出会いました。
司祭は、彼らが“ガラナ”と呼ばれる果物のジュースを飲んだときに、強い強壮効果をもたらすことを発見したのでした。
インディオがガラナを摂取した後、一日中狩りを続けていても空腹にならないことや、発熱や、こむら返り、頭痛などの治療に使用されていることも発見したのです。
1820年代には、ガラナの木はドイツ人の学者、カール・ヴォン・マルティウスによって研究され、植物治療薬に関心があったヨーロッパで広く認知されるようになりました。
1885年にサンパウロの実業家のグループが、後にカンパーニャ・アンタルチカ・パウリスタの本部が設置されるサンパウロ州のアグア・ブランカの近くに農場を取得しました。
そして2月、カンパーニャ・アンタルチカ・パウリスタが正式に発足しました。ここから、ガラナ・アンタルチカの歴史が正式に始まることになります。
ガラナ・アンタルチカいよいよ発売開始
いよいよ本格的なガラナ飲料を作り始めることになりました。 ルイス・ペレイラ・バレット博士は、ガラナ果実を飲料にする加工技術を開発。
ガラナをブラジルのソフトドリンクの主成分に変えるための研究が実った瞬間でした。
1921年ガラナ・アンタルチカはついに商品として正式に発売されることになりました。
産業化学者で薬学者の、ペドロ・バチスタ・デ・アンドラーデ教授によって「ガラナ・シャンパーニュ・アンタルチカ」が作られたのです。
当時の製品は、アマゾナス州とサンパウロ州の2拠点をまたがり製造を行っていました。しかし、こだわりを貫いて、ガラナはマウエースのサプライヤーから直接果実を購入したものだけを使用。
商品の成功の裏には、成分に関する7つの秘密が隠されているといわれています。
1940年代終盤には、ガラナ・アンタルチカの成功による消費増加に伴い、アンタルチカはガラナの生産量を拡大するために、マウエースに事務所を構えることに決めました。
しかし、拠点はアマゾナス州にあっても、1962年までは、サンパウロで果汁の抽出作業が行われていました。
1971年にはマウエース市内のサンタ・エレーナ農園で初めて自社でのガラナ栽培の開始しました。
それまで業者から購入していた種子と変わらぬ品質を守り、低価格による生産を実現するために、それまで培ってきた技術とノウハウを農園の生産者に伝えました。
今日では、この農場は大規模なガラナ研究所となり、世界最大のガラナ遺伝子のラボとされています。この農場にしかないガラナ品種も存在するのです。
飲みやすさを追求した缶と瓶のガラナ・アンタルチカの登場
1981年に缶のガラナ・アンタルチカが発売開始、1984年にはその後ガラナのシンボルマークとなる290mlの瓶入りのガラナが発売されました。
1988年、時代の流れに一番乗りする形で、ガラナのダイエットバージョンを発売。
ブラジルの清涼飲料水メーカーの中では、風味を全く変えずにカロリーを抑えることに成功した、初めての企業となりました。
そして2002年はガラナ・アンタルチカにとって忘れられない年となりました。その年のサッカーのブラジル代表(セレソン)の公式スポンサーとなり、なんとセレソンが日韓ワールドカップで5回目の優勝を果たしたのです。
翌大会の2006年ドイツワールドカップでは、ガラナ・アンタルチカとしては初となる、メモリアルコレクションを発表。イチゴ、キウイ、パイナップルフレイバーのガラナを発売しました。
2008年、ガラナ・アンタルチカは日本ではちょっと考えられないサイズのガラナを発売しました。その量がなんと3.3リットルで、しかもペットボトル入りです。
「ブラジルで一番大きな清涼飲料水」と話題を呼び、ファンを喜ばせました。
アマゾンのエナジーフルーツとして忘れてはいけない“アサイー”とのコラボレーションもしています。
2010年にアサイフレーバーのガラナ・アンタルチカを発売。通常のガラナと違いカフェイン入りの商品となりました。そして同年、カロリーゼロのガラナも市場に投入しています。
2013年、ガラナ・アンタルチカは、ガラナのペットボトルに使用するPETを100%リサイクルのもので生産することに成功。同年末には4000万本ものガラナのリサイクルペットボトルが流通しました。
常にトレンドの最先端を行くガラナ・アンタルチカ
ガラナ・アンタルチカは、ブラジルで最もポピュラーな飲み物です。そのファンを増やし続けた背景には、ガラナ・アンタルチカ社の一貫した品質へのこだわりと、時代の波を上手に捉える柔軟性だと言えます。
2020年には、女子サッカーブラジル代表のスポンサー企業を集める、広告塔の代わりを買って出て話題となりました。
自社の商品より、女子サッカーブラジル代表を大事にする心意気がブラジル人ファンのハートを鷲掴みにしています。
ガラナ・アンタルチカ 350ml缶 ケース販売(24本入)
ガラナ・アンタルチカは、ガラナ飲料の本家ブラジルで、1921年に世界で初めてガラナ種子を使って作られたソフトドリンクです。
ブラジル・アマゾン原産100%のガラナ種子から抽出されたエキスを使用しています。
販売開始から2021年で100年を迎えるガラナ・アンタルチカ。ブラジルにおけるガラナ飲料のトップシェアを維持、国民的飲料として圧倒的な人気を誇っています。
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