ポルトガルのワインと言えば、何を思い浮かますか?最近流行りのヴィーニョヴェルデでしょうか。それとも、世界で大流行したポートワインでしょうか。
実は、ポルトガル国内でも屈指のワインの産地と言われている地方があります。土着の品種に恵まれ、色とりどりの良質なワインを産み出す地方、それがドウロ地方です。
数えきれないほどあるワイナリーの中でも、古くからワインづくりをしていて、しかも、その良さを残しながら近代化を遂げた、今注目のワイナリー、キンタ・ダ・レデのワインをご紹介します。
ドウロ地方は土着ブドウ品種の宝庫
上質なポートワインを産み出すことで有名なドウロ地方は、最近では、ポルトガル国内のみならず、世界中の愛飲家の中で話題が沸騰するほどの素晴らしいワインを生み出しています。
土着品種のパワフルなコクがありインパクトのある味わいですが、一方で上品なエレガントさも兼ね備えているのがドウロ地方のワインの特徴で、他にはない、個性的な味わいが今世界中で選ばれています。
ドウロ地方はヨーロッパで最も古いワイン産地の1つで、少なくとも2000年にわたってワインを生産してきました。
ポルトガルの北東に位置し、ドウロ川に近いこの地域の地形はワイン造りにも適していて、一年を通して乾燥した気候で、冬は寒く、夏は暑く、降水量は比較的多めの地域です。
この地域には25万ヘクタール以上のブドウ園があり、その広大さから、いかにワインづくりが精力的に行われているかをうかがうことができます。
ドウロ川流域の土地は栄養豊富な土壌で、層状の変成岩で構成されています。
近年のプランテーションへの傾向としては、
主に5種の赤ブドウ品種、トウリガ・ナショナル、トウリガ・フランカ、ティンタ・バロッカ、ティント・カォン、ティンタ・ロリスと、
5種の白ブドウ品種マルバジア・フィーナ、ゴウヴェイオ、ヴィオジーニョ、コデガ、マルバジア・レイが盛んに作られています。
これらのブドウは、ポートワインにもスティルワインの醸造にも使用されています。
この地域では、政令で推奨されているブドウだけでも29の品種があり、これらのブレンドする際には、メインの品種を少なくとも60%使用しなければならないと定められています。
ドウロ地方だけでもワインの種類は無限大
かつてポートワインで有名だったこの地は、ポルトガルのEU加盟後、設備が各段に向上したことで、スティルワインの生産も本格的に始まりました。
ドウロ地方の多くのブドウ園は山の斜面にあり、機械が入るのが難しく、今も昔と変わらず多くの作業が手作業で行われています。
そのため生産量も限られ、ドウロのワインは貴重なワインとしても知られています。
ドウロ川流域のDOC地域には、正式に認められたブドウの品種が多く、実に100種類以上のブドウ品種が認定されています。
それほど多くのブドウから作られるワインですので、ワイン好きのポルトガル人ですら、まったく知らないブドウのワインに出会うことも日常的にあることです。
そして、歴史によって研鑽されたブレンド技術が、よりおいしいブレンドワインを作り出し、その組み合わせは無限大にあるといえます。
ドウロ地方珠玉のワインブランド“キンタ・ダ・レデ”
山脈に囲まれたドウロ地方はバイショ・コルゴ、ドウロ・スペリオール、シーマ・コルゴの3つのサブリージョンに分かれています。
キンタ・ダ・レデはバイショ・コルゴ地区にあり、ドウロ地方の最西端に位置します。この地方のプランテーションの29.9%はブドウ園なので、ブドウの収穫量が豊富で、ワイン造りが盛んな地域です。
キンタ・ダ・レデは、ドウロ川に面した、絶好のロケーションにあり、その恵まれた環境の中で白と赤のレゼルバとキンタ・ダ・レゼルバのワインを製造しています。
歴史と個性が薫るキンタ・ダ・レデのワインは、ワイン愛好家による、世界のベスト100にも選ばれるほどの実力があり、今、世界中で注目されているワイナリーの一つです。
キンタ・ダ・レデ、その伝統と革新
サンタクリスティーナの教区にあるキンタ・ダ・レデの歴史は、1484年には始まっていたという歴史的記録があります。
1756年、ドン・ジョゼ1世の時代にマルケス・デ・ポンバル侯爵によってワイン生産地の境界設定が行われましたが、それより以前にドウロ地方のワイナリーとしてすでにワインを造っています。
キンタ・ダ・レデの“レデ”は、ポルトガル語で魚を捕る網という意味があり、ワイン農園にしては珍しい名前が付けられています。
キンタ・ダ・レデは、ドウロ川の川幅が最も狭くなる地域に位置し、川幅拡幅の工事が行われるよりずっと前に、漁民たちがドウロ川の端と端に漁網を渡して漁をしていたという歴史に由来します。
キンタ・デ・レデのロゴや、ワインボトルにもこの網があしらわれ、特徴的なデザインが目を引きます。
1996年、キンタ・ダ・レデは、現在のオーナーであるジョゼ・フォンセッカ・アルベス氏に買収されました。
ジョゼ・アルベス氏はオーナー就任後、ブドウ園とワイナリーのオペレーション、生産方法、宣伝方法を、抜本的に改革することを目的としたプロジェクトをすぐに開始しました。
ワイナリーのブランディング、顧客を増やすための多くのアイデアを、次々と実行に移していきました。彼の指揮のもと、ブドウ園全体の再構築も行われました。
ブドウ栽培全体の修復作業が行われ、ブドウ園の大部分は、わずかな株を残し、植え替えられました。
2008年には『QUINTA da REDE』というラベルの付いた、最初のワインが発売されました。
ジョゼ・アルベス氏は、彼が経営に携わるずっと前からワインが生産されてたことに重きを置き、「農場の歴史的な遺産を製品に詰め込みたい」と語っています。
日本で飲めるキンタ・ダ・レデ
ドウロ地方はポルトガルのワインの激戦区です。多くの良質な固有品種のブドウがあり、飲む人の喜びを約束するワインが多く製造されています。
その中でも頭一つ抜けているのが、キンタ・ダ・レデのワインです。
500年以上続く伝統と、近代化による革新によって素晴らしいワインが造られています。そんなキンタ・ダ・レデのおすすめのワインをご紹介します。
レデ レゼルヴァ【白】
クリスタルのように澄んだ緑がかったシトラス色。マンゴー、パパイヤなどのトロピカルフルーツの豊かな香りで、白い花とシトラスのニュアンスが感じられます。フルーティーでフレッシュ、若々しい味のワインです。心地よい味わいで余韻もたっぷり。
産地:ポルトガル/ドウロ地方
品種:アリント40%、ラヴィガート20%、ゴウヴェイオ40%
味わい:辛口
レデ レゼルヴァ【赤】
色調は澄んだザクロ色。完熟した赤系果実のはっきりとした香りが特徴。アルコール漬けした野生の果実のニュアンスとトーストとバラの繊細な印象も。果実味溢れるワインです。
産地:ポルトガル/ドウロ地方
品種:トウリガ・ナショナル20%、トウリガ・フランカ50%、ティンタ・ロリス30%
味わい:フルボディ
キンタ・ダ・レデ レゼルヴァ【白】
芳香性が非常に豊か。
フレンチオーク新樽のトーストと、トロピカルなアロマのバランスが良いワインです。
白い花や柑橘類のニュアンスも。フルーティーでフレッシュ、口の中で心地よいボリューム感があります。上質で繊細な構造を感じさせ、余韻は長く続きます。
産地:ポルトガル/ドウロ地方
品種:アリント30%、ヴィオズィーニョ30%、ゴウヴェイオ40%
味わい:辛口
キンタ・ダ・レデ レゼルヴァ【赤】
熟した果実の複雑な風味をはっきりと感じる。トーストを感じさせるベリー ジャム、チョコレートや濃い色合いの花の香りがほのかに漂う。バランスのいい、骨格のしっかりした飲み口。
産地:ポルトガル/ドウロ地方
品種:トウリガ・ナショナル40%、トウリガ・フランカ30%、ティンタ・ロリス30%
味わい:フルボディ
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国内でも人気が高まってきているヴィーニョヴェルデももちろんごお取り扱いしております。ご自宅のセラーに、ポルトガルの彩りを添えてみるのはいかがでしょうか。
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