ブラジルを代表する蒸留酒『カシャッサ』は、日本国内でもじわじわとその存在感を高めているスピリッツとなってきています。
サトウキビを原料としたこのお酒は、様々なフルーツとの相性も良く、バーテンダーがいろいろなレシピを日夜開発しています。
そのカクテルの中でも一番の人気は、なんといっても『カイピリーニャ』です!このカイピリーニャは、2018年には生誕100周年を迎え、ブラジル国内でも大いに盛り上がりました!
レモン、砂糖だけで作るシンプルなカイピリーニャは、砂糖とカシャッサ自体の持つ甘味にレモンの酸味が優しく添えられ、直感的に爽やかで美味しいと感じられるカクテルです。
今日は、そんなカシャッサの歴史を紐解き、最後にカイピリーニャのレシピをご紹介します!是非最後までお楽しみください!
カイピリーニャは薬として発明された?!
ブラジル文化を最も美しく表現する飲み物であるカシャッサは、ブラジルおよび世界で最も消費されている蒸留酒の1つになっています。そのカシャッサで作られるブラジルを代表するカクテルが『カイピリーニャ』です。
カイピリーニャはサンパウロの内部にあるピラシカバ市で生まれたとされていて、2018年にはカクテル生誕100周年を迎えました。
その歴史をさかのぼると、カイピリーニャは、カシャッサ、レモン、ニンニク、蜂蜜を混ぜて作られ、当時ブラジルで流行していたスペイン風邪に苦しむ人々に対する民間療法として開発されたといわれています。
当時の家庭では薬に少量のアルコールを混ぜて服用することが一般的だったので、この飲み物はすぐに受け入れられました。
飲みやすく改良され今の形に
大変多くの人が服用しましたが、その飲み物には味に問題がありました。そこで、スペイン風邪に対する効果をより加速させるために、ある日誰かがニンニクと蜂蜜を取り除くことを思いつきました。
そしてその飲み物を甘くするために、砂糖大さじ数杯がレシピに加えられました。そして、より飲みやすさを追求するために氷を入れて飲むようになったということです。
カイピリーニャは富裕層の飲み物だった?!
また、他の説によると、カイピリーニャはピラシカバ地域の根強いサトウキビ文化が反映され、お金持ちのパーティーやイベントのための地元の飲み物として、ピラシカバ地域の大地主によって発明されたといいます。
カイピリーニャは、発明当初は、輸入ウイスキーやワインの代替品と見なされていて、上流階級の農家のパーティ、牛の販売所、有名人が集まるイベントなどでよく提供されていたということです。
このような起源をもつカイピリーニャは、原料が低価格のためすぐに人気を集め、サンパウロ州全体で噂となり、19世紀にはサンパウロを象徴する飲み物となりました。
20世紀初頭の1930年代には、他の州にも伝わり、特にリオ・デ・ジャネイロ州やミナス・ジェライス州でも目にするようになったと言われています。
豊富なバリエーションがカイピリーニャ人気の秘密!
今ではブラジル全土において大人気のカイピリーニャですが、その人気の秘密は、このカクテルが持つ豊富なバリエーションにあります。
一部の地域では、精製糖の代わりに黒糖が使用されます。ブラジル国内では、色とりどりの果物を使ったものや、人工甘味料を使ったものまで、様々な作り方があります。
ただ、カイピリーニャをアレンジして元のレシピからレモンを取り除くことは、ブラジルのバー文化の中でも非常に物議を醸すトピックになっています。
様々なバーテンダーが、色々な材料を使い、様々なレシピを生み出しましたが、レモン以外の果物を使って作られるカクテルは、理論的にはカイピリーニャとは言えないという議論があるのです。
オリジナルのカイピリーニャを法律で保護!
カイピリーニャを作るにあたり、ウォッカや日本酒などの他のスピリッツを使い、新しいカクテルが生み出されていますが、このような場合、いかなる状況においても、それらのカクテルを“カイピリーニャ”と呼ぶことはできないと言われているのです。
そこでなんと、カイピリーニャをブラジルの文化的遺産として、また、国の飲み物として保護するために、国際法において、カイピリーニャとその原料となるカシャッサのブランドを守るために、法律番号4,851の法令が2003年に政府によって署名されたのです。
伝統的なレシピでは、グラスの中でレモンと砂糖を軽く揉み、次に氷を加え、続いてカシャーサを加えるとされています。そして少し混ぜて味を均一化させます。
この“カイピリーニャ”は、レモンの酸味、砂糖の甘さ、そしてカシャッサの持つアルコールとの完璧で歴史的なハーモニーを感じられるカクテルなのです。
カイピリーニャを作ってみよう!簡単レシピ10選
ここからは、ブラジルで人気のカシャッサ“セレッタ”を使ったカイピリーニャに関連するカクテルの作り方を10種類ご紹介します。手軽で簡単にできるものばかりなので、ご自宅でもチャレンジできる方は作ってみてくださいね!
1. 伝統的なレモンとカシャッサのカイピリーニャ
伝統的なカイピリーニャのレシピは非常に簡単に作ることができ、ブラジル国民の情熱の象徴です。まずはトラディショナルなカイピリーニャから始めてみましょう。
作り方
-タヒチライム1個、よく洗ったもの
-砂糖小さじ2杯
-クラッシュアイス¼カップ
-飾り用レモン 1スライス
–セレッタ¼カップ(60ml)
先ほどもご紹介しましたが、砂糖とレモンをグラスの中で軽く揉み、氷を入れたらその上からセレッタを注ぎ入れる。軽くまぜて飾りのレモンをその上に添えたら完成です!
2. パッションフルーツ入りスイカカイピリーニャ
このカクテルは爽やかで、とても美味しくて簡単に作れます。スイカとパッションフルーツのフレーバーのミックスは、甘いだけでなく酸味も程よく感じられるドリンクとなります。
作り方
-パッションフルーツ1/2個(種ごと)細かく切っておく
-スイカキューブ状に切ったものを2カップ
-砂糖ティースプーン2杯
-クラッシュアイス¼カップ
-飾り用レモン 1スライス
–セレッタ¼カップ(60m)
パッションフルーツとスイカをグラスの中で良く潰します。そこに氷を入れて、セレッタを入れて混ぜ、レモンスライスで飾り付けたら完成!なんとトロピカルな味でしょう!パッションフルーツの酸味がとても爽やかで、飲みやすさも抜群!
3. メロンとスイカのカイピリーニャ
トラディショナルなカイピリーニャとは違ったバリエーションをお考えの方には、メロンとスイカで作るカイピリーニャを紹介します。
作り方
-メロンをキューブ状に切ったものを2カップ
-スイカをキューブ状に切ったもの1.5カップ
-砂糖ティースプーン2杯
-クラッシュアイス¼カップ
-飾り用レモン 1スライス
–セレッタ¼カップ(60m)
メロンとスイカと砂糖をグラスに入れてよく潰す。氷を入れ、セレッタを入れて混ぜ、レモンで飾ったら完成!スイカとメロンの意外なコンビネーションをセレッタが包み込んでくれます!濃厚なハーモニーが楽しいカクテルですね!
4. ヤクルトカイピリーニャ
子供の頃に飲んでいたヤクルトを覚えていますか?美味しいカクテルに使える材料のひとつです。レモンスライスと砂糖でアクセントを加えることもできます。ほんの数分で、多くの人を喜ばせるサプライズ感たっぷりのカイピリーニャです!
作り方
-レモン一個分の絞り汁
-ヤクルト2本
-砂糖ティースプーン2杯
-クラッシュアイス¼カップ
-飾り用レモン 1スライス
–セレッタ¼カップ(60m)
このレシピは、すべての材料を混ぜるだけ。レモン果汁、ヤクルト、砂糖をよく混ぜ、アイスとセレッタを混ぜ、レモンを飾ったら完成!
こんな意外な飲み物ってあるの?と、子供の頃の感覚が呼び起こされるカクテルです!
5. ストロベリーカイピリーニャ
ブラジルではイチゴはレモン以外でカイピリーニャの材料として最もよく選ばれる果物の1つです。酸味から甘みまで幅の広い味わいがあるため、カイピリーニャの味に深みを与えます。
作り方
-レモン1個分の絞り汁
-大きめのイチゴ6粒
-砂糖ティースプーン2杯
-クラッシュアイス¼カップ
–セレッタ¼カップ(60m)
イチゴは日本でも大人から子供まで人気のある果物です。その魅力を存分に感じられるカイピリーニャです!ブラジルの人気カクテルを是非ご自宅でお試しください。
6. スイカとパッションフルーツの生姜風味カイピリーニャ
生姜はカイピリーニャに一味違った風味を与えます。このカクテルも実に簡単に作ることができます。フルーツと砂糖、生姜を加え、氷とカシャーサを加えるだけです。
作り方
-パッションフルーツ1個(種ごと)細かく切っておく
-スイカをキューブ状に切ったもの1.5カップ
-生姜は3枚くらいスライスしたものを粗みじんに切っておく
-砂糖ティースプーン2杯
-クラッシュアイス¼カップ
–セレッタ¼カップ(60m)
もう皆さん、ここまで来たら作り方の想像はつきますね!パッションフルーツとスイカと生姜と砂糖をグラスに入れてグラス内で揉みます。クラッシュアイスを入れて、セレッタを加えたら、かき混ぜで完成です!生姜の香りがふんわりとアクセントになって、体に良さそうな風味になります。また、パッションフルーツの酸味が、砂糖やスイカの甘さを上手にまとめてくれますね!
7. カイピリーニャフルーツハニー
このカイピリーニャは、ミント、レモン、みかん、ハチミツ、パッションフルーツを使った、フルーツ感に溢れるカクテルです。一度飲んだらクセになる、フルーツフレーバーが楽しいカイピリーニャです。
作り方
-ミカン2個
-ミントの葉4枚
-ハチミツ小さじ2杯
-レモン 1スライス
-パッションフルーツ1個(あらかじめ潰しておく)
-レモンソーダ
-クラッシュアイス¼カップ
–セレッタ¼カップ(60m)
グラスにミカン、ミント、レモンを入れ軽く揉みます。そして、ハチミツ、氷を入れ、パッションフルーツと、セレッタを入れたらよく混ぜます。そして、グラス一杯になるまでレモンソーダを入れて軽く混ぜれば完成です!甘味が足らなければ、砂糖で加糖してもOKです!爽快感がたまらない、夏に飲みたいカクテルですね!炭酸が気持ち良いカイピリーニャのソーダ版です!
8. 3種のレモンのカイピリーニャ
このカイピリーニャは”caipirinha trelimões”(3種のレモンのカイピリーニャ)と呼ばれ、レモン、タヒチレモン、キーライムを使った、非常に簡単に作ることができるカクテルです、3種のシトラスの酸味の刺激がたまらない、甘さ控えめのドリンクが好きな方におすすめのカクテルです。
作り方
-レモン厚切り2枚
-タヒチライム厚切り2枚
-キーライム厚切り2枚
-砂糖ティースプーン2杯
-クラッシュアイス¼カップ
–セレッタ¼カップ(60m)
3種のレモンと砂糖をグラスに入れ、優しく揉みます。そして氷を入れセレッタを注ぎ入れ、良く混ぜれば完成!こんなに簡単にできるカクテル、ご家庭で作らないのはもったいない!是非お試し下さい!
9. バナナカイピリーニャ
珍しいカイピリーニャの登場です!バナナ?と思われた方も多いかもしれませんが、これが意外!合うんです!バナナ、氷、砂糖、セレッタをブレンダーに入れてレモンを絞るだけで、なんともエキゾチックな飲み物のできあがりです!
作り方
-バナナ1本
-砂糖ティースプーン2杯
-クラッシュアイス¼カップ
–セレッタ¼カップ(60m)
バナナはブレンダーで良く回るようにあらかじめ細かく切っておきます。そしてブレンダーにバナナ、砂糖、セレッタ、氷を入れ混ぜます。(氷でブレンダーの刃が傷つくことがありますので、ブレンダーの性能をご確認の上使用してください)出来上がったものをグラスに移せば完成です!ブレンダーを使って作るカクテルは“バチーダ(Batida)”とも呼ばれます。体にも良さそうなこのカクテル。一度作ったら、その手軽さにリピートしてしまいます!
10. ベリーベリーカイピリーニャ
このカイピリーニャの組み合わせは、ブラジル全国のバーで非常に一般的で、家でも簡単に作れます。使われるフルーツはイチゴ、アセロラ、ブルーベリー、カシャーサ、氷、砂糖だけです。(アセロラは日本で手に入りにくいので、代わりに今回はクランベリージュースを使って作りましょう)
作り方
-刻んだイチゴ1カップ
-クランベリージュー50ml
-ブルーベリー1カップ
-セレッタ60ml
-砂糖ティースプーン2杯
-クラッシュアイス¼カップ
–セレッタ¼カップ(60m)
イチゴと、ブルーベリーと砂糖をグラスの中で良く揉みつぶします。そこにクランベリージュース、セレッタを入れてよく混ぜます。最後に氷を入れたら完成です!飾りに余ったイチゴをグラスのふちに添えてもかわいいです!ベリー系の甘い風味が濃厚にセレッタと混ざり合い、なんともかわいらしい味になりますね!女子会で作ったら盛り上がること間違いなしです!
カイピリーニャ用のカシャッサを買うならアライマートで
セレッタ(SELETA)
ブラジル国内で最も飲まれているクラフト・カシャッサのセレッタは、ウンブラーナという木の樽で2年間熟成させ、伝統的手法を用いながら製造されています。ライトな味わいで若者にも人気がある逸品です。炭酸水で割ってレモンを入れた“セレッタ・ハイボール”もおすすめ。
品名:スピリッツ
蒸留所:ミナスジェライス州サリナス市
内容量:670ml
アルコール分:42%
ボアジーニャ(BOAZINHA)
バルサモという木の樽で4年間熟成させ、伝統的手法を用いながら製造されています。さらに、自社農場で栽培されたさとうきびを原料にして、伝統的な手作業での醸造を施しております。風味はカシャッサ本来の芳醇さを発揮。ほのかに桜餅のような香りが感じられる、風味豊かな「ボアジーニャ」は、ぜひストレートでお試しください。ブラジルの歴史と風土に深く根ざした国民的なお酒です。
品名:スピリッツ
蒸留所:ミナスジェライス州サリナス市
内容量:670ml
アルコール分:42%
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