ポルトガルのワイン産地の中で最も優れたワインを生み出すことで知られるドウロ地方。何千もの素晴らしいブドウ園が両岸に広がる川の名前からこの地方の名前が与えられました。
ドウロ川はスペインの標高2000メートル以上ある、ソリア県ウルビオン山を水源としています。ポルトガルで2番目に重要な都市とされるポルト市の河口までおそよ800kmの長さがあり、イベリア半島で3番目に大きな川です。
スペイン側では、カスティーリャ・イ・レオン州を横断し、ソリア、アルマサン、アランダ・デ・ドゥエロ、トルデシリャス、サモラなどの重要な都市を通過し、ポルトガルの領土内に入った直後、景観の美しい峡谷を縫うようにして流れます。
ドウロ川は河口にたどり着くまでに平均高度700メートルほどに位置する、フォスコア、ピニャオ、ペーゾダレグアなど、ワインの生産と密接な関係がある地域を下っていきます。
ドウロ地方の自然は見るものを感動させる
河口のポルト市から100kmほど遡ったドウロ川渓谷は、世界で最も美しいワイン産地と呼ばれる地域です。ペーゾダレグアを抜け、ピニャオを通る、観光客を惹きつけてやまないボートトリップは、ワインの文化と見事なまでに調和されたこの地方の自然の美しさを存分に満喫できるアトラクションとして人気があります。
山肌に無数に点在するブドウ園は見るものを感動させる、素晴らしい景観を作り出しています。 バイショコルゴ、シーマコルゴ、ドウロ・スペリオールでは、世界的に有名なポートワイン用のブドウが常に栽培されています。
近年、この地方でも質の良い赤のテーブルワインを生産するためのブドウも作られるようになりました。ポルトガル国内でもこれらのワインは高級ワインに分類されています。
ドウロ地方で高品質テーブルワインが生まれる理由は?
ドウロ地方では、古くからテーブルワインを製造しているワイナリーもありますが、これらのワインは伝統的な酒精強化ワインのポートワイン用のブドウ栽培に比べたらその歴史はまだ浅く、まだまだ目新しいものとして扱われています。
しかし、近年この地方で重点的に作られているテーブルワインは年々質が向上し、現在では世界的に見ても上質なワインとして認知されるようになってきています。
そんな新参者のワインが市場で差別化されている最も大きな要因は、この地域の土着のブドウにあります。 トウリガ・ナショナル、トウリガ・フランカ、ティンタ・バロッカ、ティンタ・ロリス、ティンタ・アマレラ、ティント・カン、ソウザンなどのブドウは、この地域の最も優れたブドウ品種とされています。
ポルトガル固有の品種であるトウリガ・ナショナルは、主にアロマに独特の特徴があるため、その存在感が際立ちます。その味の良さから、一部の生産者はこの品種100%のワインを製造しています。
多くのブドウは、最近植えられたブドウの木から作られていますが、トウリガ・ナショナルの大部分は古いブドウの木によって栽培されています。ブドウの木は一般的に同じ木が同じ土地に繰り返し植えられ、その寿命は100年以上にもなります。
ドウロ地方のテロワールはブドウ作りに最適
ドウロ地方の土壌は瘦せていて、気候は冬は寒く、夏は暑い地域です。夏には気温が40℃を超えることもよくあります。ドウロ地域は、“Xisto-Grauváquico”複合岩体と呼ばれる特殊な地層に属していて、土壌は3種のロームによって構成されています。
これらの要素に加えて、ドウロの土壌はブドウの木の栽培に好条件となる石と砂利を含んでいます。この種の土はブドウの木の根を固定し、水の浸透を可能にし、栄養素や太陽エネルギーの吸収を促します。
そして、土壌侵食の影響が最小限に抑えられるのです。この類まれなる性質を持った土壌により、高品質のブドウがこの地方では栽培されるのです。
世界的に流行しているワインツーリズム
ドウロ川両岸に広がるブドウ園によって描かれる緑の美し渓谷は、世界最古の原産地呼称のための地域として定められたワイン産地でもあり、2000年にはユネスコの世界遺産に指定されています。
延べ何千人もの観光客を受け入れてきたにもかかわらず、その人気におごり高ぶることのないこの地方は、毎年ワインツーリズムのを楽しむために、多くの人の旅先として選ばれています。
ドウロは今でも昔ながらの素朴さを保っていて、ワインテイスティングのツアーは、自分自身が伝統の一部になったという錯覚すら覚える、魅惑の体験が味わえると人気を博しています。
ドウロ地方は、高品質のワインを作るだけでなく、リラックスして風景を楽しんだり、ポルトガルで最高のワイナリーのいくつかを巡るワインテイスティングツアーに参加することもできる、話題の地域となっているのです。
日本で飲めるドウロ地方のワイン
ドウロ地方はポルトガルのワインの激戦区です。多くの良質な固有品種のブドウがあり、飲む人の喜びを約束するワインが多く製造されています。
その中でも頭一つ抜けているのが、キンタ・ダ・レデのワインです。
500年以上続く伝統と、近代化による革新によって素晴らしいワインが造られています。そんなキンタ・ダ・レデのおすすめのワインをご紹介します。
レデ レゼルヴァ【白】
クリスタルのように澄んだ緑がかったシトラス色。マンゴー、パパイヤなどのトロピカルフルーツの豊かな香りで、白い花とシトラスのニュアンスが感じられます。フルーティーでフレッシュ、若々しい味のワインです。心地よい味わいで余韻もたっぷり。
産地:ポルトガル/ドウロ地方
品種:アリント40%、ラヴィガート20%、ゴウヴェイオ40%
味わい:辛口
レデ レゼルヴァ【赤】
色調は澄んだザクロ色。完熟した赤系果実のはっきりとした香りが特徴。アルコール漬けした野生の果実のニュアンスとトーストとバラの繊細な印象も。果実味溢れるワインです。
産地:ポルトガル/ドウロ地方
品種:トウリガ・ナショナル20%、トウリガ・フランカ50%、ティンタ・ロリス30%
味わい:フルボディ
キンタ・ダ・レデ レゼルヴァ【白】
芳香性が非常に豊か。
フレンチオーク新樽のトーストと、トロピカルなアロマのバランスが良いワインです。
白い花や柑橘類のニュアンスも。フルーティーでフレッシュ、口の中で心地よいボリューム感があります。上質で繊細な構造を感じさせ、余韻は長く続きます。
産地:ポルトガル/ドウロ地方
品種:アリント30%、ヴィオズィーニョ30%、ゴウヴェイオ40%
味わい:辛口
キンタ・ダ・レデ レゼルヴァ【赤】
熟した果実の複雑な風味をはっきりと感じる。トーストを感じさせるベリー ジャム、チョコレートや濃い色合いの花の香りがほのかに漂う。バランスのいい、骨格のしっかりした飲み口。
産地:ポルトガル/ドウロ地方
品種:トウリガ・ナショナル40%、トウリガ・フランカ30%、ティンタ・ロリス30%
味わい:フルボディ
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