ワインツーリズムとは、地域のワイナリーやブドウ畑を訪れ、その土地の自然、文化、歴史、暮らしに触れ、つくり手や地元の人々と交流し、ワインやその土地の料理を味わう旅行のことを指します。
ワイナリーやブドウ園を訪れ、ワインと地元の食を楽しむワインツーリズムが1980年代頃から欧米やオーストラリアなどのワイン生産国で盛んになり、今日では余暇を楽しむツーリズムとして成長してきています。
日本でも、以前はワインツーリズムを楽しむ人は一部の愛好家にとどまっていましたが、近年徐々に一般旅行者にも浸透し始め、注目されてきています。
そんなワインツーリズムですが、世界でも人気のワインツーリズムのスポットとして脚光を浴びている国があります。それがポルトガルです。
ポルトガルは北海道と青森を足したほどの広さにもかかわらず、気候が変化に富み、北と南では全く違う景色が見られます。その国土には無数のワイナリーが点在し、国内のワイナリーを巡るワインツーリズムがとても盛んになっています。
今回はポルトガルのワインツーリズムの魅力について見ていきましょう。
ポルトガルでワインツーリズムが盛んな地域は?
ポルトガルにおけるワインの歴史は古く、伝統的な製法が伝承されていることに加え、近年の改革によって改良されたワインの品質は、今世界中で認められていて、国際的なコンクールでも数々の賞を受賞するようになっています。
ワインツーリズムを体験すると、ブドウが育まれた地方の風景や、先人から引き継いだ多くの遺産、またその土地の文化や人々を間近で見ることができ、ワインの味のみならず、そのワインが育まれた背景やストーリーをより深く知ることができます。
ポルトガルには一般の訪問者でも見学できるワイナリーが数多くありますが、ポルトガルワインで現在最も注目されているドウロ地方とアレンテージョ地方は、ポルトガル国内でも最もワインツーリズムに力を入れていて、多くのワイナリーが訪問者を歓迎しています。
ドウロ地方のワインツーリズムでは美しい風景を満喫
ポートワインが生産されるアルトドウロ地域はワインツーリズムが最も人気のある地域です。1756年に原産地呼称の境界線が創設され、同時にポルトガルで最も古いワインの会社が設立されたこの地方には、長きにわたり上質なワインを作り続けてきた伝統があります。
商売として古くから“よそ者”と関わってきたアルトドウロ地域では、気さくに訪問者を歓迎し、地域最高のテロワールや、ワイナリーを紹介する風習が根付いています。
そもそも土壌が荒れていた地域だったドウロ地方ですが、ドウロ川の両岸にそびえる斜面に、ブドウ園を設けるために段々畑が作られ、地域の人のたゆまぬ努力の結果、今ではユネスコによって世界遺産にも登録される美しい景観をドウロ渓谷では楽しめます。
例えばワインツーリズムでこの地域のワイナリーを巡るとすると、ポートワインセラーが位置するポルトからクルーズに乗れば、ポートワインの販売などに関連するスポットから、ブドウやワインの生産地であるドウロ地方を訪れるコースを満喫することができおすすめです。
ポルトガル北部には中世と現代が共存
ポルトガルという国は現在のポルトガルの北部で興りました。このため、ヴィーニョ・ヴェルデ(緑のワイン)が生産されている北部には、今なお、貴族的な風習を引き継いでいる荘厳な邸宅があります。
この地域では、ワインの試飲を行うだけでなく、それらの遺産を巡り、実際に邸宅や農場に滞在することもできます。ブラガ、ギマランイス、ヴィアナ・ド・カステロなどの古い町並みが残る街では、このような魅力的な風景と体験が、ワインツーリズム観光客を楽しませています。
少し南下して、ポルトガル中部地方には、ビゼウやコインブラといった世界遺産に登録されている美しい都市があり、海岸沿いにはアヴェイロ、ブサコなど、魅力的な街が点在しています。
そして、この地方にも古いポルトガルのワイナリーを楽しめるワインツーリズムのコースがあります。それらの施設では、最新のワインの流行と、最新の生産方法を取り入れた、ポルトガルの新しいワイン造りを楽しむことができます。
アレンテージョ地方では食とワインを存分に楽しめる
ポルトガルの南部に位置するアレンテージョ地方は、ワインツーリズムスポットの中でも最も肥沃な地方で、ポルトガルが誇る主要なワイナリーをいくつも訪れることができます。
この地域のワインの品質は世界中で高く評価されていて、2014年のアメリカの新聞“TODAY誌”でも、『読者が訪れたい世界で最高のワイン地域』に選ばれています。
ブドウ園が広大な平原に広がる、地平線が美しいこの地方特有の風景の中で、アレンテージョのワインツーリズムは、おもてなしとグルメによってより一層引き立てられます。
アレンテージョに映える、歴史的な痕跡を残す美しい風景と、気候がもたらす穏やかさが特徴の、もう1つの世界遺産都市、エヴォラでは、ブドウの収穫に参加したり、ワイン作りに関わるさまざまな工程を見学することができます。
レゲンゴシュ・デ・モンサラズでは、ワインの試飲はもちろんのこと、自分で収穫したブドウで記念ワインを製作する体験も用意しています。グルメで有名なこの地方での、現地の食とワインのペアリングはこれ以上ない思い出となることでしょう。
ワインだけではないポルトガルのワインツーリズム
大西洋に浮かぶ島、マデイラ島ではマデイラワインの存在が際立ち、世界中で名声を獲得しています。マデイラワインは、18世紀の王や王子、大将、探検家などにすでに評価されていた、ポルトガルが誇る名産品です。
石の壁で支えられた段々畑に作られたブドウ園は島の名物となっていて、海と山を繋ぐ素晴らしい風景を作り出しています。
以上紹介してきた地域の他にも、ポルトガルには数々のワインツーリズムが楽しめる場所があり、近年では非常に質が高く、内容の濃いスポットとなっていて、多くの場合が、地域の名所や、歴史のある魅力的なホテルと連携しています。
また、ポルトガルのワインツーリズムはワインだけでなく、フルーツやジャム、チーズ、オリーブオイル、職人によるスイーツ、郷土料理など、その土地ならではの名産品が楽しめるのも多くの人がポルトガルを巡る理由といえるでしょう。
アレンテージョのワインが日本でも飲めます
本記事で紹介されているアレンテージョ地方で造られるワインは、この数10年でめざましい発展をとげ、世界中で注目を集めています。
アレンテージョのワインは大企業などの投資により、近代的な大規模な農園があったり、醸造家をコンサルタントに招聘しワイン造りを行ったり、世界のワイン需要に応えられる、良質なワインが数多く造られています。
AraiMartでご購入いただけるアレンテージョのワインをご紹介します。
ボジャドール【白】
色調は金色がかった緑色。トロピカルフルーツの豊かなアロマが広がります。すっきりとしたフレッシュさと豊かな果実味をお楽しみください。
ワイナリー:Herdade do Rocim (公式サイト)
産地:ポルトガル/アレンテージョ地方
品種:アンタォン・ヴァス、アリント、アルヴァリーニョ
味わい:辛口
ボジャドール【赤】
色調は深いルビー色。熟した赤肉系果実のアロマが広がります。
まろやかなタンニンを感じる、フルボディの赤ワインです。
ワイナリー:Herdade do Rocim (公式サイト)
産地:ポルトガル/アレンテージョ地方
品種:アラゴネス、トウリガ・ナショナル、トリンカデイラ
味わい:フルボディ
レゲンゴス セレクション【白】
色調は透明感のある麦の穂色。熟したマンゴーやパッションフルーツのアロマの香りと共に、バランスの取れたフレッシュな味わいが楽しめます。
ワイナリー:Carmim (公式サイト)
産地:ポルトガル/アレンテージョ地方
品種:アンタォン・ヴァス60%、ゴウヴェイオ40%
味わい:辛口
レゲンゴス セレクション 【赤】
色調は透明感のあるガーネット色。野生のブドウ、チョコレートやコーヒー系のコクのある心地よいアロマが特徴で、やわらかいタンニンと上品な味わいが楽しめます。実はこのレゲンゴスという赤ワインは、イタリアの作家、アントニオ・タブッキの小説『レクイエム』に登場しています。文学作品に思いを馳せて、読書しながらワインを飲むのも楽しいかもしれません。
ワイナリー:Carmim (公式サイト)
産地:ポルトガル/アレンテージョ地方
品種:トリンカデイラ40%、アラゴネス40%、アリカンテ・ブシェ20%
味わい:ミディアムボディ
ポルトガルワインを通販で1本からご購入頂けます
ワインは専門店でお買いになっている方も多いかと思います。しかし、現在ではお好きなお店のネット通販でワインを購入できるようになってきています。国内でも、ワインを楽しむ人が増えてきて、そのニーズの高まりとともに、気軽にネット通販で購入するできるように環境が整ってきています。
しかし、ワインなどの飲料をネットで購入する際の問題は、インポーターがレストランなどに直接販売するために、個人で買う際もケースで買わなければならないということが起こりうるということです。
AraiMartでは、20種を超えるポルトガルワインを1本からご注文いただけます。ポルトガルにグループ会社があるため、 日本でなかなか出会えないポルトガルワインを、お求めやすい価格でご提供しています。国内でも人気が高まってきているヴィーニョヴェルデももちろんごお取り扱いしております。ご自宅のセラーに、ポルトガルの彩りを添えてみるのはいかがでしょうか。
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