イタリアワインの味や特徴とは?【世界最大のワイン生産量】

イタリアワインの特徴 ワイン

世界最大のワイン生産量を誇る国、イタリア。その土地で生まれるワインは、時代を超えた歴史と多彩な風土が結びつき、特有の美味しさを生み出しています。

この記事では、イタリアワインの特徴やその歴史、地域ごとの特性、代表的なブドウ品種について紹介していきます。

イタリアワインの特徴4選

この記事では語り切れないほど、奥深いイタリアワインの世界ですが、いくつか厳選してイタリアワインの特徴をあげてみます。

多様性

イタリアワインの特徴は、まずなんといっても多様性。南北に広がる半島国家で、各地域ごとに異なるブドウ品種や栽培方法が用いられています。

全20の州で盛んなワイン造りが行われ、果実味豊かなフルーティーなワインから身の締まった力強いワインまで、バラエティ豊かなラインアップが揃っています。

気候と地理

もともとイタリアにワイン製法を伝えたギリシャ人からは「エノトリア・テルス(ワインの大地)」と言われたほど、ワイン造りに恵まれた気候のイタリア。

地中海性気候(主に中部~南部の沿岸部)は、強い日差しと乾燥した夏、適度な雨の降る冬をもたらします。

また、アルプス山脈やアペニン山脈があることにより、山岳地帯(北部)で生産されるワインは引き締まったミネラルと清らかな酸味が特徴的です。

品種の豊富さ

イタリアは、ブドウ栽培の歴史が長いため、一説によればなんと2000種類以上の土着品種(その土地で生まれ育ち、固有の遺伝子形をもつ品種のこと)を抱えているといわれます!

政府が公認している品種だけでも、400種以上。

これが地域・土地ごとの個性と相まって、イタリアワインの独自性を生み出しています。

格付け

1963年に制定されたワイン法により、D.O.C.G(統制保証原産地呼称ワイン)、 D.O.C(統制原産地呼称ワイン)、I.G.T(地域特性表示ワイン/1992年に追加)、V.d.T(テーブルワイン)といった格付けが存在します。

また、2008年にはEU内での原産地名称保護制度が改正され、イタリア国内のワイン法もこれに従いD.O.P、I.G.P、Vinoの3分類に変更されました(2010年施行)。

現在でも引き続き、DOCGやDOCを使用することも許可されているので、国内では新旧の格付けが混在しています。これらの格付けはワインの品質を保証し、消費者に信頼性を提供しています。

なお、DOCGやDOCは高品質なワインであることを保証しますが、IGT(IGP)以下のワインが必ずしも味が劣るわけではありません。その中から自分好みの美味しいワインを見つけるのも、イタリアワインがワイン愛好家を魅了する理由の一つと言えるでしょう。

イタリアワインの歴史・概要

紀元前~古代ローマ時代

イタリアワインの歴史は極めて古く、紀元前8世紀ごろまでさかのぼります。最初に本格的なワイン造りをイタリアに伝えたのは、フェニキア人とギリシャ人と言われており、特にギリシャ人が南部を植民地化したことが大きな影響を与えました。これにより、多くのブドウ品種、優れた栽培法、醸造技術が持ち込まれました。

古代ローマ時代には、ギリシャとエトルリアの文化からブドウ栽培とワイン造りを学び、それを更に発展させ、ローマ帝国の拡大と共にワイン文化を帝国全土に普及させました。しかし、4世紀以降のゲルマン民族の侵入や西ローマ帝国の崩壊により、ワイン生産は大きく衰退。イスラム教徒に支配された地域では、ワイン造りが禁止されることもありました。

そんな時代にワイン造りを保ったのは、修道院です。知識と技術を極めていった修道院では、徐々に高品質のワインが造られるようになりました。

ルネッサンス期

ルネッサンス期に入るとワイン文化が復興し、トスカーナなどの地域を中心に品質の高いワインが造られ、産地の名声が高まりました。19世紀後半にはイタリアワイン界が非常に活発で、その品質は高く、ヨーロッパで行われる博覧会などでも賞を受けることがよくありました。

特に転換点となったと言われるのが、1873年のウイーン万国博覧会。数多くのイタリアワインが入賞し、輸出促進のきっかけにもなりました。

20世紀~現代

しかし、20世紀に入るとフィロキセラがイタリアの畑を襲い、多くのブドウ畑が被害を受けます。さらにその頃は世界恐慌の影響もあり、景気が悪化しました。生計が立たない農民は都市や外国で働くしかない状況となりました。

第二次世界大戦後、イタリアは奇跡的な経済成長を遂げ、低価格で美味しいワインへの需要が急増しました。質より量の時代に入り、イタリアワインは「気軽に飲む安酒」というイメージがついていた頃です。

しかし、1970年代末になると、意欲的な生産者たちが世界で通用する高品質ワインを生産するために取り組み始め、イタリアワインの急速な近代化が進み、「イタリアワイン・ルネッサンス」と呼ばれる動きが生まれました。

2000年頃からは伝統的な栽培と醸造の見直しが行われると同時に、土着品種への関心も高まっています。これらの動きにより、イタリアワインはその品質と多様性で世界中で高い評価を受けています。

イタリアワインの地域別の特徴

イタリアワインはその地域ごとに独特の特徴があります。以下に、北部、中部、南部のそれぞれの特徴を説明します。

高級ワインの名産地:イタリア北部

イタリア北部は、北はアルプス山脈に面し、比較的冷涼な地域も多いのが特徴です。主要産地は、アルプス山脈の麓に位置するピエモンテ州。ネッビオーロ種で作る「バローロ」や「バルバレスコ」などの高級赤ワインを生む産地です。

また、冷涼な地域で白ワインの生産が盛んな州が多いことも特徴です。

上質なワインの宝庫:イタリア中部

中部エリアは、キャンティやサッシカイアで有名なトスカーナ州があります。

この土地の主要黒ブドウ品種であるサンジョヴェーゼは、強い酸味と渋みが特徴です。「スーパータスカン」と称されるトスカーナ州を代表する高級ワインは、国際品種にこの土着のサンジョヴェーゼをブレンドしています。(サッシカイアなど)

個性豊かなワイン産地:イタリア南部

南イタリアは温暖で日照量に恵まれた地域で、赤ワインが中心に生産されています。以下に、南イタリアの主要なワイン産地の特徴を説明します。

カンパーニア州: 州都はナポリで、古代ローマ時代よりワインの生産が盛んです。代表的な品種はアリアニコで、これを使用して仕立てられる銘醸ワイン「タウラージ」は、酸とタンニンがしっかりした長期熟成にも耐えうる力強い味わいで、「南イタリアで最も尊敬されるワイン」と称されています。

プーリア州: イタリアのかかとの部分に位置し、世界遺産のアルベロベッロがあることでも有名です。地中海性気候で日照に恵まれ、ワインをはじめオレンジやオリーヴオイルなどが名産です。プーリア州は固有品種の宝庫で、中でもアリアニコやプリミティーヴォを使用した、たっぷりとした果実味を持つ濃密でエレガントなワインが多数生産されています。

イタリアワインの主なブドウ品種の一例

黒ブドウ

ネッビオーロ(Nebbiolo):ピエモンテ州を代表する品種。州内でも一部の地域でしか栽培されておらず、高貴な品種のひとつ。バローロやバルバレスコなどの高級ワインに使用されます。

バルベーラ(Barbera):ピエモンテ州をはじめ、広いエリアで栽培。豊富な果実味と控えめなタンニン、そして豊富な酸が特徴。デイリーワインから高級ワイン、他の品種とのブレンドや樽での熟成など、幅広い種類のワインが作られています。

サンジョヴェーゼ(Sangiovese):国内で栽培面積第1位であり、イタリアを代表するブドウ品種。主に中部のトスカーナ州などで生産されています。カジュアルなテーブルワインから高級ワインまで、幅広く使われます。

モンテプルチアーノ(Montepultiano):イタリア中南部を中心に栽培。豊かな果実味やスパイシーなニュアンスが特徴。タンニンはまろやか。

白ブドウ

トレッビアーノ(Trebbiano):イタリア原産で、フランスでも広く栽培されており、世界では2番目に多く栽培されている品種です。カジュアルワインによく使われています。フルーティーで、酸味が強めなのが特徴。赤ワインのキャンティにも、酸味を補強するため使用が許可されています。

ピノ・グリージョ(Pinot Grigio):ピノ・ノワールのクローン突然変異体とされています。酸味は爽やか、香りは比較的おだやかですが、辛口でコクのあるワインができるのが特徴です。

イタリアワインの特徴まとめ

世界最大のワイン生産量を誇るイタリア。ワイン造りの歴史は古く、また地理的には南北に長いため、地域ごとにユニークな特徴をもつワインが生産されています。

日本人にとって身近で人気のイタリア料理とあわせて、その地域で生産されているワインにも目を向けると、食事がより一層楽しくなることでしょう。

格付けや金額にとらわれず、ぜひ自分好みのイタリアワインを探してみてください!

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