ポルトガルに旅行に行って帰ってきた人に聞きたい質問の一つに「フランセジーニャは食べた?」というものがあります。それほどまでに、ポルトガルのグルメ界の一翼を担っているのが今回ご紹介するフランセジーニャという食べものです。
ファーストフード店のような店から、レストランまでが扱うこのグルメは、ポルトガル至高のB級グルメとも称され、ポルトを中心にその人気が世界に広まってきています。今回はそのフランセジーニャについて見ていきましょう。
フランセジーニャってどんな料理?
ポルトには何世紀にもわたり、美食文化が受け継がれてきている街です。貿易において古くからポルトガルの経済の中心地でもあった街ですが、そんなポルトで生まれたフランセジーニャは、1950年代に生まれた比較的若い料理です。
その馴染み易さから、ポルトを初めて訪れる人も気兼ねなく食すことができ、現地の人々が週末に友人や家族と過ごすときにも食卓に上がる料理です。
フランセジーニャはプレートの上に盛られるサンドイッチのような形状の食べ物です。最も人気があるのは、スライスしたパンに、ハム 、ソーセージ、ステーキ、厚切りチーズを挟み、そのサンドイッチがさらにチーズで覆われ、オーブンに入れられ、とろっと溶けたチーズの上に、少しスパイシーなソースがかけられます。
上質な素材とボリューミーな肉、そこに印象的な味わいのソースが加わり、食べ終わるまで飽きさせない変化に富んだ食感のサンドイッチと言えます。
店によってレシピは異なりますが、ビールとトマトをベースにしたこのソースが、この料理の決め手であり、他店のレシピと差別化するための主要な要素となっています。
フランセジーニャ誕生の背景は?
フランセジーニャ誕生についてはポルトガルでも諸説ありますが、最も広く支持されているストーリーは、ポルトガル人移民のダニエル・ダビド・シルバがフランス滞在中に出会ったフランス料理のクロック・ムッシュに出会い、そのインスピレーションをもとに発明されたという説です。
1950年にダニエル・シルバはフランスから帰国すると、ポルトガル北部の食材を使って、オリジナルのサンドイッチを開発し、ポルトにあるレストラン、“レガレイラ(Regaleira 2018年閉店)”で提供を始めました。
シンプルなレシピの中に光る繊細さが話題を呼び、街中に広がり、今日ではポルトで最も象徴的な料理の 1 つとなっています。
そのオリジナリティあふれるサンドイッチは「ポルトガルの独特な料理」としてアイコン化され、「まとまりが無いようで、口の中で心地よくおいしい」と称されることもあります。
また、パンチの効いたこの料理を「勇敢な人だけがこの爆弾のようなサンドイッチを食せる」などとも言われ、そのような評価からもB級グルメ感を感じることができます。
世界トップ10に入るサンドイッチ
今ではポルトガル料理の象徴としても知られる、有名かつ伝統的なフランセジーニャは、アメリカの大手出版社の雑誌“コンデナスト・トラベラー誌”のスペイン語版が選ぶ、世界のトップ 9 のサンドイッチとして取り上げられるほどになりました。
コンデナスト・トラベラーは、1987 年にアメリカ合衆国で設立された、旅行、ライフスタイル、グルメなどを扱う、世界的に有名な雑誌です。
同誌では、フランセジーニャの味わいを「国の象徴」として特徴付け、「ビール、トマト、スパイシーが絡み合う秘伝のソース」を絶賛しています。そして結びでは、「ポルトを訪れる観光客は必ずこの名物を食べなければならない」と締めくくっています。
その他選ばれたサンドイッチには、ニューヨークが誇る“パストラミ”のサンドイッチや、インドを代表するビーガンサンドイッチの“ワダ・パーヴ ”(Vada pav)そしてイタリアの“カプレーゼ”などがランクインしています。
フランセジーニャが選ばれたことからも、ポルトガルとヨーロッパの双方の美食シーンでその人気が高まっていることがうかがえます。
フランセジーニャのバリエーション
フランセジーニャは、今ではいろいろな店が作るようになり、バリエーションが豊富にあります。ポルトの多くの店では、斬新なアレンジを加え、独自商品として売り出すことをしています。
そのため、今日では、あらゆるタイプのフランセジーニャが存在し、伝統的なスタイルのものから風変わりなものまで幅広く楽しむことができます。
より多くの人に楽しんでもらうために、ベジタリアン向けのフランセジーニャもあるほど、人気となっています。フランセジーニャとともに提供される付け合わせも様々で、人気の付け合わせはフライドポテトです。
その他、バリエーションが非常に豊富なため、ポルトガル国内の都市で、フェスティバルや大会が開催され、自慢の味が競われます。中でも人々が関心を持つのはサンドイッチにかけられるソースの味が勝負の決め手となることが多いようです。
フランセジーニャに合わせたいワインは?
ポルトガルのB級グルメ、フランセジーニャの魅力について見てきましたが、いかがだったでしょうか。昼下がりの陽が差し込むテラスでフランセジーニャを食べたいものです。
そんなフランセジーニャに合わせたいのが、ポルトガルのヴィーニョヴェルデ。アルコール度数も低く、すっきりと飲めるので、フランセジーニャと食べるには最適です。
以下のヴィーニョヴェルデをお試しになるのはいかがでしょうか?
フガス (Fugaz)
トロピカルフルーツや柑橘系を思わせるフルーティーな香り。
軽快で爽やかな飲み口で、余韻はエレガントで味わい深い風が漂います。
8~10℃にキリッと冷やしたヴィーニョ・ヴェルデ「フガス」は、フランセジーニャとも相性ぴったり!
AraiMartではヴィーニョヴェルデ以外のポルトガルワインも豊富に取り揃えています。カジュアルに楽しめるものから、ブドウの味わいを楽しめるものまで、幅広くご用意しています。
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